現実の"運"ステータスを増やしたいのだが・・

昨今は、"脳力開発"がブームらしい。先ごろのAERAにおいても、斯かるテーマの記事が掲載されていた。そして今日の毎日新聞

「雑談力」講座、生活に役立てて 元アナウンサー・奥脇さんが出版
雑談は本題に入る前の大事なイントロで、相手と良い人間関係を築くのに大きな役割を果たすことができるのが魅力という。

本は「聞き上手になる」「会話を途切れさせないコツ」など7章で構成。話題に困った時は季節や天気、近況、衣食住に関する話題がネタ作りに役立つという。このほか、学歴や財産、容姿など、雑談をする際のタブーや、場面別の会話例も掲載している。

ざ、雑談力・・・。蓋し人寄せの為のキャッチフレーズであろうが、最近はなんでも「〜力」だ。そういや赤瀬川原平の「老人力」なんて言葉もあったか。まるでゲームのステータスみたいである。

学力、体力に始まって、ついには"脳力"とまできやがった。だが残念ながら、現実のステータスはゲームみたく、努力と結果が単純に結びつくものではない。よく自己啓発と題したインチキセミナーがあるのも、結果へと結びつく因果関係が曖昧だから、際限なく金を毟り取れるのだろうと思う。

私は「努力」という言葉は嫌いではないが、「努力」はしない、というかそうするほどの根性が無い。だから、現実の「レベル上げ」に勤しむ人々を虚仮にするつもりも無いのだが、せめて「レベル上げ」の目的ぐらいは自分で捻り出すべきだと思う。"雑誌に書いてあったから"とか、"人に言われて"とか、手段のみならず目的すらも他者から与えられるのでは、ゲームと同じじゃああるまいか。それでは息が詰まるに決まっている、そんなことを考えてみた。